【趣旨と主旨】の違いと使い分け/「目的」か「中心となるテーマ」かの違い

日本語には発音が同じ言葉で意味が異なる言葉が数多く存在し、

「趣旨」と「主旨」もその一例です。

どちらも重要な言葉ですが、正しく使い分けるためには、

それぞれの意味や適切な文脈を理解することが欠かせません。

この記事では、これらの違いを具体的な例や表を用いて解説し、混乱を解消するお手伝いをします。

【趣旨】とは？その意味と使い方

「趣旨」は、行動や発言の「背後にある目的や理由を表す言葉」です。

何かを行う上での意図や狙いを明確にする際に使われます。

【趣旨】の使用例

趣旨の使用例と意味を以下の表に示します。

使用例	意味
この会議の趣旨は何ですか？	この会議の目的は何ですか？
趣旨に沿った提案をお願いします。	目的に合った提案をしてください。
彼の話の趣旨がよくわからなかった	彼の話の意図が理解できなかった。

【趣旨】の間違った使い方

「趣旨」を「単なるテーマ」として誤用しがちですが、

具体的な意図や理由に焦点を当てるべきです。

間違った使い方	正しい使い方
「この政策の趣旨は楽しいです。」	「この政策の趣旨は公平性を保つことです。」

【主旨】とは？その意味と使い方

一方、「主旨」は文章や発言の「中心となる内容やテーマ」を示します。

話の核となる部分を指し、議論の要点を簡潔にまとめるときに使われます。

【主旨】の使用例

主旨の使用例と意味を以下の表に示します。

使用例	意味
彼女の話の主旨を理解できましたか？	彼女の話の要点を理解できましたか？
報告書の主旨を簡潔にまとめてください。	報告書の主要なポイントを簡潔に表現してください。
このセミナーの主旨は何ですか？	このセミナーの中心となるテーマは何ですか？

【主旨】の間違った使い方

「主旨」は「テーマそのものに焦点」を当てます。

感情的な評価や目的を含めず、具体的な内容を伝える際に使うのが適切です。

間違った使い方	正しい使い方
「この本の主旨は美しいです。」	「この本の主旨は環境保護の重要性を訴えることです。」

【趣旨と主旨】の類義語

【趣旨】の類義語 －「目的」との違い

「趣旨」はテーマや考えを示すのに対し、

「目的」は最終的に達成しようとする具体的な結果を指します。

趣旨の例	目的の例
この会議の趣旨は意見交換です。	この会議の目的は新規計画の承認です。

【主旨】の類義語 －「要旨」との違い

「主旨」は中心的な内容、「要旨」は全体の主要なポイントを簡潔にまとめたものです。

主旨の例	要旨の例
この論文の主旨は環境保護です。	この論文の要旨は5つの環境保護策です。

まとめ―【趣旨と主旨】の違いと使い分け/「目的」か「中心となるテーマ」かの違い

「趣旨」と「主旨」の違いを理解し適切に使うことで、

日常の会話やビジネスの場面でより正確なコミュニケーションが可能になります。

目的やテーマに応じて適切な言葉を選び、誤解のない表現を心がけましょう。