
「豆板醤」と「コチュジャン」の違いと使い分けは、
「原材料」と「味」の違いで区別します。


「豆板醤」と「コチュジャン」は、どちらも唐辛子を使った発酵調味料で、
見た目もよく似ていますが、原材料や製法、味わい、用途に違いがあります。
本記事では、それぞれの特徴を比較し、どのように使い分けるべきかを詳しく解説します。
「豆板醤」と「コチュジャン」の特徴
下記にそれぞれの特徴の違いを一覧にしました。
特徴 | 豆板醤 | コチュジャン |
発祥地 | 中国(四川省) | 韓国 |
原材料 | そら豆、赤唐辛子、塩、麹 | もち米、唐辛子、麹、塩 |
味の特徴 | 強い辛味と塩味 | マイルドな辛味と甘味 |
使用方法 | 炒め物や麻婆豆腐、エビチリなど加熱調理向き | 和え物やタレ、焼き肉、ビビンバなど |
製法 | 長期間熟成させることで、旨味が増す | もち米由来の甘みが特徴で、発酵によりコクが深まる |
「豆板醤」とは?
「豆板醤」は中国・四川省発祥の発酵調味料で、「四川料理の魂」とも呼ばれます。
豆板醤は火を通すことで香りや旨味が引き立つので、炒め物に加える際は、
最初に油と一緒に炒めてから具材を加えるのがポイントです。
「コチュジャン」とは?
「コチュジャン」は韓国発祥の発酵調味料で、甘辛い味が特徴です。
非加熱でも使用可能なので、焼肉のタレや、
マヨネーズと混ぜたディップソースとしても相性抜群です。
「赤唐辛子」と「唐辛子」の違い
冒頭で「豆板醤」は「赤唐辛子」、
「コチュジャン」は「唐辛子」を使用していると説明いたしましたが、
この両者の違いを以下に説明します。
項目 | 赤唐辛子(あかとうがらし) | 唐辛子(とうがらし) |
定義・意味 | 熟して赤くなった唐辛子 | ナス科トウガラシ属の植物全般、またはその果実の総称 |
色 | 主に赤色 | 緑(未熟)、赤(熟成)、黄色など種類による |
状態 | 乾燥させた赤い唐辛子が一般的 | 生・乾燥のどちらもあり |
用途 | 主に乾燥・粉末(例:一味唐辛子)にして使用 | 生のまま、炒め物、煮込み、漬物など幅広く使用 |
辛さの目安 | 比較的辛い (品種にもよる) | 辛さは品種により大きく異なる (甘口〜激辛) |
料理の例 | キムチ、麻婆豆腐、ペペロンチーノなど | 青唐辛子の味噌炒め、漬物、サルサなど |
別名・表現 | 「乾燥唐辛子」「赤とうがらし」とも言う | チリ、ペッパー、青唐辛子なども含まれる |
「唐辛子」は全体を指す包括的な言葉で、
「赤唐辛子」はその中の一部(特に熟して赤くなったもの)を指します。
青唐辛子(未熟な唐辛子)と赤唐辛子(完熟した唐辛子)を使い分ける場面も多く、
色や辛さ、香りが異なります。
「豆板醤」と「コチュジャン」の代用は可能?
「豆板醤」と「コチュジャン」は味の特徴が異なるため、
完全に同じ風味にはなりませんが、次のような方法で代用できます。
- 豆板醤の代用:コチュジャンに醤油と唐辛子を加えると、より近い風味になります。
- コチュジャンの代用:豆板醤に砂糖やみりんを加えることで甘味を調整できます。
「甜麺醤(テンメンジャン)」との違い
「甜麺醤(テンメンジャン)」は、中国北部発祥の甘みの強い発酵調味料で、
豆板醤やコチュジャンとは異なる特徴を持ちます。
下記にそれぞれの違いを表にしました。
項目 | 甜麺醤(テンメンジャン) | 豆板醤 | コチュジャン |
発祥地 | 中国(北部) | 中国(四川省) | 韓国 |
原材料 | 小麦粉、麹、塩 | そら豆、唐辛子、塩 | もち米、唐辛子、麹 |
味の特徴 | 甘味が強く、塩味控えめ | 強い辛味と塩味 | マイルドな辛味と甘味 |
使用用途 | 北京ダックや回鍋肉 | 麻婆豆腐、炒め物 | 焼肉、タレ |
まとめ ー 「豆板醤」と「コチュジャン」の違いと使い分け/「原材料」と「味」の違いで区別
「豆板醤」と「コチュジャン」はどちらも唐辛子を使った発酵調味料ですが、
原材料や味、用途が異なります。
「豆板醤」は辛味と塩味が強く、炒め物などの加熱調理に向いています。
一方、「コチュジャン」は甘みのあるマイルドな辛さで、
そのままタレや和え物に使いやすい調味料です。
どちらも料理のアクセントとして活用できるので、特徴を理解して適切に使い分けましょう!

