【適正と適性】の違いと使い分け/｢正しさ｣か｢向き不向き｣かだけ

「適正」と「適性」は同じ読み方をしますが、意味には明確な違いがあります。

「適正」は「正しく適していること」を意味し、

「適性」は「物事に対して性質や性格が合っていること」を指します。

例えば、【適性検査】はその人が仕事に適しているかを見るためのものであり、

【適正な運用】は正しい方法で行われているかを示します。

どちらも重要な日本語の表現であり、正しく使い分けることで、

より正確なコミュニケーションが可能になります。

本記事では「適正」と「適性」の違いと、

具体的な使用例や類義語について解説します。

【適正と適性】の違いと使い分け方

【適正】とは？

「適正」は「正しく適していること」や「適当で正しい状態や判断」を意味します。

仕事や物事が適切な状況や方法で行われているかを評価する際に使われることが多く、

主に客観的な正しさを重視します。

【適正】の使用例

以下の表で「適正」の使用例をご紹介します。

用例	意味
自分の健康のため適正体重を知っておきましょう	正しく適した体重を理解し、健康を保つこと。
上司から適正な運用を行うように指示された	正しい運用方法を用いるよう指導された。
適正速度を守って安全に運転する	法的に適した速度を守ることで安全を確保すること。
業務の適正化を図り作業効率を上げる	正しい業務運営により効率化を図る。
不当に高すぎず安すぎない価格を適正価格といいます	公正で適切な価格設定を指す。

【適正】の類義語

「適正」の類義語として、以下の言葉が挙げられます。

それぞれ意味合いに少しの違いがあるため、場面に応じて使い分けましょう。

適正の類義語	意味
適切（てきせつ）	状況に合った適した対応や判断であること。
妥当（だとう）	状況や条件にふさわしく、無理がない状態であること。
正当（せいとう）	正しく公正で、理由や根拠があること
公平（こうへい）	偏りなく平等であること。

【適性】とは？

「適性」は「性質や性格がその物事に適していること」を意味します。

ある特定の業務や環境に対して、

その人の能力や性格がふさわしいかを評価する際に用いられ、

主に内面的な特性や個人の性格が関係します。

【適性】の使用例

以下の表で「適性」の使用例をご紹介します。

用例	意味
職業に自分が向いているか確認するため 適性診断を受ける	自分の特性がその仕事に合っているかを 確認すること。
あの人は自動車の運転に適性がある	性格や能力が運転に適していること。
我が社でしっかり成果を出してくれるか、 適性を判断する	業務にふさわしい能力や性格を持っているかを 評価する。
国の安全保障のため、適性評価が行われる	情報や環境に対して適合した能力があるかを 確認すること。

【適性】の類義語

「適性」の類義語には次のような言葉があります。

これらも状況に応じて使い分けましょう。

適性の類義語	意味
資質（ししつ）	生まれ持った性質や才能を指す
素質（そしつ）	特定の分野に向いている才能や特徴を意味する
能力（のうりょく）	ある事に対応できる力やスキルを指す。
才能（さいのう）	特定の分野での優れた適応性や実力を表す。

まとめ～【適正と適性】の違いと使い分け/「正しさ」か「向き不向き」かだけ

「適正」と「適性」は、似ているようで異なる意味を持つ日本語の表現でした。

それぞれの違いを理解し、正しい場面で使い分けることで、

より的確なコミュニケーションが可能になります。