
「バイキング」と「ビュッフェ」の違いは、
「由来」と「料金体系」の違いで区別します。


「バイキング」と「ビュッフェ」はどちらもセルフサービス型の食事スタイルとして知られていますが、
「ことばの由来や料金体系」に違いがあります。
本記事では、両者の違いをわかりやすく解説します。
「バイキング」と「ビュッフェ」の違い
両者の最も大きな違いは「ことばの由来」と「料金体系」です。
以下の表で、特徴を比較してみましょう。


「バイキング」と「ビュッフェ」の由来と文化的背景
「バイキング」―映画がきっかけで生まれた和製英語
「バイキング」という言葉は、もともと日本で作られた「和製英語」です。
その始まりは、1950年代に公開された映画『バイキング』にあります。
この映画には、「北欧の戦士たちが豪快に食事を楽しむシーン」が登場し、
そのイメージが強く印象に残りました。
当時、帝国ホテルが北欧の伝統的な食事スタイル
「スモーガスボード(好きな料理を自由に取る形式)」を日本に導入しようとしました。
しかし、「スモーガスボード」という言葉が日本人には難しくて浸透しにくいと感じられました。
そこで、映画での食事シーンのイメージにちなんで、
もっと覚えやすく親しみのある名前として「バイキング」という言葉が使われるようになったのです。
「ビュッフェ」―フランス貴族文化に由来する国際用語
「ビュッフェ(buffet)」という言葉は、もともとフランス語で「飾り棚」を意味します。
この「飾り棚」に料理を並べて、来客が自分で好きなものを取って食べるというスタイルが、
フランスの貴族のパーティーなどで広まりました。
このセルフサービス形式の食事スタイルが時代とともに発展し、やがて世界中に広がっていきます。
現代では、「ビュッフェ」という言葉は、「国際的に通じる標準的な表現」として、
ホテルやレストランなどで幅広く使われています。
「バイキング」と「ビュッフェ」の特徴
「バイキング」-「定額で好きなだけ食べられる」食事スタイル
以下に、「バイキング」の特徴をまとめました。
項目 | 内容 |
由来 | 1958年、帝国ホテルが北欧の「スモーガスボード」形式を導入 |
呼び名の特徴 | 和製英語。 日本独自の表現であり、海外では通じない |
意味 | 定額で好きなだけ食べられる食べ放題形式 |
用例 | 「焼き肉バイキング」「スイーツバイキング」など、 ジャンルごとの食べ放題に多用される |
「ビュッフェ」―「料理を自分で取るセルフ形式」の総称
以下に、「ビュッフェ」の特徴をまとめました。
項目 | 内容 |
由来 | フランス語「buffet(飾り棚)」が語源。 貴族の立食形式が始まり |
呼び名の特徴 | 国際的に通じる表現。 海外でも「ビュッフェ」で理解される |
意味 | 料理が並び、自分で取り分けるセルフサービス形式 (食べ放題とは限らない) |
用例 | ホテルの朝食ビュッフェ、立食パーティー形式のビュッフェなど |
また、ビュッフェは、以下の主な形式があります。
形式名 | 特徴 | 具体例 |
スタンディング・ビュッフェ | 立食形式。 立ったまま自由に料理を取り食べる | 結婚式の二次会、レセプションパーティー、展示会の懇親会など |
シッティング・ビュッフェ | 座席付き。 セルフで取り分けるが着席して食事できる | ホテルの朝食ビュッフェ、レストランのセルフランチ |
オンテーブル・ビュッフェ | テーブルに大皿が並び、各自が取り分ける家庭的形式 | ホームパーティー、大人数での食事会、シェアスタイルの家庭料理 |
類義語 ー 「食べ放題」と「セルフサービス」との違い
「バイキング=食べ放題」、「ビュッフェ=セルフサービス」と理解しておくと混乱を避けられます。
類義語 | 特徴 |
食べ放題 | 一定料金で好きなだけ食べられる形式(定額制) |
セルフサービス | 自分で料理を取る形式。 量によっては料金が変動する(従量制) |
「バイキング」と「ビュッフェ」で守るべきマナー
自由に料理を楽しめる反面、以下のようなマナーを守ることも大切です。
- 列に並んで順番を守る
- 食べられる量だけ取る
- トングや取り箸は清潔に扱う
- 他人の料理に手を出さない
- 会話中の料理台占拠は避ける
まとめー「バイキング」と「ビュッフェ」の違い/「由来」と「料金体系」の違いで区別
「バイキング」と「ビュッフェ」は、どちらも「料理を自由に選んで楽しめるスタイル」ですが、
その言葉の由来と料金体系に明確な違いがあります。
「バイキング」は「日本独自の食べ放題スタイル」、
「ビュッフェ」は「国際的なセルフサービススタイル」と考えると、
シーンに合わせた正しい使い分けができます。
言葉の意味を理解しておくことで、日常の食事シーンでも、
観光やホテル利用時でも迷うことなく使えるようになります。

