【進呈、贈呈、謹呈、献上】の違いと使い分け/「贈る相手への敬意の度合い」で区別

「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分けは、
「贈る相手への敬意の度合い」で区別します。

「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分けは、「贈る相手への敬意の度合い」で区別
「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分けは、「贈る相手への敬意の度合い」で区別
分類進呈贈呈謹呈献上
贈る相手目上同等・目下
(形式重視)
目上
(高い敬意を込める)
極めて目上
(敬意と奉仕の意味)

敬意の度合い控えめな敬意と感謝改まった敬意や賞賛最大限の敬意と礼儀崇高な敬意・神聖性
「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分け

「進呈」「贈呈」「謹呈」「献上」は、いずれも「物を贈る」という意味を持ちますが、

使用する相手や場面に応じて適切に使い分ける必要があります。

本記事では、それぞれの意味と違いを明確にし、

正しい使い方がわかるように、比較表と例文を交えて解説します。

目次

「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違い

「進呈」の 意味と使い方

「進呈(しんてい)」は、目下の人が目上の人に敬意や感謝を込めて贈り物をする際に用いられます。

改まった場面以外でも使えるため、日常的で柔らかい表現です。

「粗品進呈」など、控えめな姿勢が含まれるのが特徴です。

例文

  • 来場者全員に記念品を「進呈」いたします。
  • 教授に感謝の印として自著を「進呈」しました。

「贈呈」の意味と使い方

「贈呈(ぞうてい)」は、改まった場で物を贈る場合に使います。

主に目上から目下、または同格の相手に用いられ、公的・公式な贈答に適します。

「感謝状の贈呈」や「賞品の贈呈」などが典型です。

例文

  • 優勝者にメダルを「贈呈」しました。
  • 結婚式で両親に花束を「贈呈」した。

「謹呈」の 意味と使い方

「謹呈(きんてい)」は、「つつしんで差し上げます」という最上級の敬意を表す語です。

目下から目上へ、特に書物などを贈るときに使われ、「謹呈本」としてよく見られます。

極めて丁寧な表現です。

例文

  • 自著を先生に「謹呈」いたします。
  • 目録を「謹呈」し、感謝の意を表しました。

「献上」の意味と使い方

「献上(けんじょう)」は、皇族や国家元首など、

圧倒的に身分が高い相手に贈り物を差し上げるときに使います。

「献」の語が表すように、敬意を超えた「奉る」意味合いが含まれます。

例文

  • 陛下に特産品を「献上」する。

「進呈・贈呈・謹呈・献上」の違いを一覧で比較

下記にそれぞれの違いを比較表でまとめました。

項目進呈贈呈謹呈献上
意味物を差し上げる公式な場で物を差し上げるつつしんで差し上げる身分の高い相手に差し上げる
使用場面日常・改まらない場面式典・授賞式など改まった場面書物や目録の贈呈(丁重)皇族・国家元首・神仏への贈答
相手の立場目上または同等同等または目下
(形式重視)
目上
(高い敬意を込める)
極めて目上
(敬意+奉仕の意味)
敬意の程度控えめな敬意(へりくだり)改まった敬意最大限の敬意と礼儀崇高な敬意・神聖性
用例粗品、記念品、ポイント等賞品、表彰状、感謝状、花束など自著、書簡、目録など特産品、宝物、儀式用の献品など
主な動詞表現「進呈する」「贈呈する」「謹呈いたします」「献上する」
使用頻度比較的よく使う(ビジネス等)公的機会で頻出書面や儀礼的文脈で使われる非常に限られる(特別な相手)
一覧:「進呈・贈呈・謹呈・献上」の違い

「進呈」は、日常的な場面で使える比較的軽い表現。感謝や敬意を込めた贈り物に使われ、
「粗品進呈」などでも見られる。

「贈呈」は、公的・公式な場での贈答に使われ、フォーマルな印象。
目上の人が目下の人に贈ることが多いが、結婚式などでは同等間でも用いる。

「謹呈」は、非常に丁寧な贈り方を表現する語で、特に書物を目上の人に差し出すときに使われる。

「献上」は、最も格式高く、皇族や主君など「圧倒的に目上の存在」に対して物を奉るように贈る際に使う。

「進呈・贈呈・謹呈・献上」の類義語との違い

以下は類義語として使われやすい表現です。それぞれのニュアンスに違いがあります。

語句意味と特徴
寄贈(きぞう)公共施設や機関に贈る
(例:大学、図書館、美術館など)
拝呈(はいてい)謹んで差し上げる。謙譲語。主に書面や文書などで使用
奉呈(ほうてい)身分の高い人に謹んで贈る。やや格式が高い表現
献呈(けんてい)主に文芸作品や研究成果などを尊敬する人に贈るときに使用
贈与(ぞうよ)法律用語的要素が強く、無償で所有権を渡す意味で使われることが多い
「進呈・贈呈・謹呈・献上」の類義語との違い

使い分けの例文集

下記の表は状況ごとの使い分けを例文で示しています。

状況適切な表現例文
展示会で粗品を配る進呈「ご来場いただいた皆さまに粗品を進呈いたします」
大会でトロフィーを渡す贈呈「優勝チームにトロフィーを贈呈しました」
教授に自著を送る謹呈「新刊の書籍を○○教授に謹呈いたしました」
天皇陛下に特産品を渡す献上「地元産の米を天皇陛下に献上する式典が開かれました」
公共図書館に書籍を寄付する寄贈「自費出版の本を市立図書館に寄贈しました」
使い分けの例文集

まとめー「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分け/「贈る相手と敬意の度合い」で区別

「進呈」「贈呈」「謹呈」「献上」はすべて「贈る」ことを表しますが、

相手との関係性や場面の格式によって使い分けが必要です。

「進呈」は気軽に、「贈呈」は改まって、「謹呈」は丁寧に、

「献上」は最上級の敬意をもって贈る表現です。

言葉を適切に選ぶことで、失礼のない丁寧なコミュニケーションが可能になります。

「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分けは、「贈る相手への敬意の度合い」で区別
「進呈」、「贈呈」、「謹呈」、「献上」の違いと使い分けは、「贈る相手への敬意の度合い」で区別
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