【筋子】と【いくら】の違い/「成熟度・形状・味」の違いで区別

「筋子」と「いくら」は、どちらもサケやマスの卵ですが、

その違いを正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。

見た目は似ていますが、「卵の成熟度」や「加工方法」によって、

食感や味わいに大きな違いがあります。

本記事では、「筋子」と「いくら」の違いを詳しく解説し、それぞれの魅力について紹介します。

「筋子といくら」の基本的な違い

「筋子」と「いくら」の最も大きな違いは、「卵の成熟度」と「加工方法」です。

以下の表で、主な違いを比較してみましょう。

項目	筋子	いくら
卵の成熟度	未成熟	成熟
形状	卵巣膜に包まれている	バラバラの粒状
食感	柔らかくねっとり	皮が硬めでプチッと弾ける
味付け	塩漬けが一般的	醤油漬けが一般的
価格	比較的安価（ただし、加工方法による）	加工に手間がかかるため高価
用途	ご飯のお供・おにぎり	いくら丼・寿司・パスタ

「筋子といくら」の特徴

「筋子」とは？

「筋子」は、サケやマスの卵巣膜に包まれたままの卵で、まだ未成熟な状態です。

そのため、粒が小さく、皮が柔らかいのが特徴です。

通常、塩漬け加工が施され、濃厚な旨味と塩味が際立ちます。

「いくら」とは？

「いくら」は、サケやマスが産卵直前の成熟した卵を卵巣膜から取り出し、

一粒ずつバラバラにしたものです。

成熟しているため、皮がしっかりしており、口の中でプチッと弾ける食感が特徴です。

一般的には醤油漬けで食べられます。

「筋子といくら」の名前の由来

「筋子」の名前の由来

「筋子」という名前は、卵が筋のようにつながっていることから名付けられました。

「はらこ」という呼び名もありますが、これは地域によって異なり、生の筋子を指す場合もあります。

「いくら」の名前の由来

「いくら」は、ロシア語の「икра（イクラ）」に由来し、

「魚卵」や「粒状のもの」という意味があります。

日本には大正〜昭和時代にこの言葉が伝わり、

それ以前は「いくら」も「筋子」と呼ばれていたとされています。

「筋子といくら」の種類と特徴

「筋子」の種類

筋子には、使用される親魚の種類によって異なる特徴があります。

種類	親魚	色	味の特徴
紅子（べにこ）	紅鮭	赤黒	濃厚な味わい
鮭子（さけこ）	秋鮭	赤黒	甘口が多い
銀子（ぎんこ）	銀鮭	赤黒	皮が硬めで噛みごたえがある
キング子	キングサーモン	オレンジ	もっちりとした食感
トラウト子	トラウトサーモン	オレンジ	甘口でコクがある
鱒子（ますこ）	鱒	オレンジ〜黒オレンジ	塩辛い味付けが多い

「いくら」の種類

いくらには、「秋鮭（アキザケ）いくら」と「鱒（マス）いくら」があります。

項目	秋鮭いくら	鱒いくら
粒の大きさ	大きめ	小さめ
価格	高価	比較的安価
味わい	脂質が多く濃厚	さっぱりした風味

水産業界では「いくら」というと「秋鮭いくら」を指し、

「鱒いくら」は別のものとして扱われることが多いです。

「筋子といくら」の食べ方

「筋子」のおすすめの食べ方

ご飯のお供：そのまま白米と一緒に食べる

おにぎりの具：塩漬けの筋子を適量入れて握る

「いくら」のおすすめの食べ方

いくら丼：温かいご飯にたっぷりのせる

親子丼：サーモンの刺身や焼き鮭と合わせる

パスタ：たらこパスタにトッピングして贅沢な味わいに

「筋子といくら」の安全性 ― アニサキスの注意点

「筋子」や「いくら」は、魚の卵であるため、

寄生虫であるアニサキスが含まれている可能性があります。

ただし、多くの市販品は冷凍処理されており、アニサキスは死滅しています。

特に「生筋子」を購入して自宅でいくらを作る場合は、

目視でアニサキスを除去するように注意しましょう。

まとめ ― 「筋子」と「いくら」の違い/「成熟度・形状・味」の違いで区別

「筋子」と「いくら」は、どちらもサケやマスの卵ですが、

卵の成熟度や加工方法によって、味や食感に大きな違いがあります。

「筋子」は未成熟な卵で塩漬けが主流、ねっとりとした濃厚な味わいが特徴です。

一方、「いくら」は成熟した卵で醤油漬けが多く、プチッと弾ける食感が魅力です。

それぞれに異なる魅力があるため、好みに合わせて楽しんでみてください！