
「クッキー」と「ビスケット」の違いは、
「総称か一種」かの違いで区別します。


スーパーやコンビニなどでよく見かける「クッキー」と「ビスケット」。
日本では同じように扱われることも多いこの二つですが、実は製法や成分、
そして業界内での定義にははっきりとした違いがあります。
また、国によって呼び方やイメージも大きく異なります。
本記事では「クッキー」と「ビスケット」の違いを、
定義・成分・由来・国ごとの使われ方を交えて詳しく解説します。
「クッキー」と「ビスケット」の違い
日本において「クッキー」と「ビスケット」は同じ焼き菓子の仲間として日常的に使われていますが、
全国ビスケット協会による定義においては、明確に区別されています。
下記に、それぞれの違いを表にまとめました。


上の表で示したように、「クッキー」は「ビスケット」の中でも糖分・油分が多く、
見た目や食感にも特徴がある焼き菓子とされています。
「クッキー」と「ビスケット」の「由来」と「背景」
「クッキー」の由来
「クッキー」という言葉は、オランダ語の「クオキエ(小さなお菓子)」に由来します。
オランダ移民がアメリカにこのお菓子を持ち込み、アメリカ全土に広がりました。
アメリカでは家庭で手作りされることが多く、ラフな見た目の焼き菓子が一般的です。
「ビスケット」の由来
一方「ビスケット」は、ラテン語の「ビス(2度)」と「コクトゥス(焼かれた)」に由来し、
「2度焼いたもの」という意味を持ちます。
長期保存が必要な航海や遠征の携帯食として使われた歴史があり、
ヨーロッパでは古くから愛されています。
「クッキー」と「ビスケット」の「国ごとの違い」
「クッキー」と「ビスケット」は国によってその定義やイメージが異なります。
下記の表で、その違いを見てみましょう。
国名 | 呼ばれ方 | 特徴 |
アメリカ | クッキー | 日本のクッキーやビスケット全般を指す。 ビスケットは「クイックブレッド」(ふわふわしたパン) |
イギリス | ビスケット | サクッとした焼き菓子全般。 「型抜きクッキー」も含む |
フランス | ビスキュイ | 軽い食感の焼き菓子、スポンジケーキ系も含まれる |
ドイツ | ビスキュイート | フランス語由来、広く焼き菓子を指す |
国によって「クッキー」と「ビスケット」の範囲や意味が異なるため、
海外でのお菓子選びには注意が必要です。
「サブレ」、「クラッカー」との違い
焼き菓子には「クッキー」や「ビスケット」のほかにも、
「サブレ」や「クラッカー」といった似たお菓子が存在します。
それぞれの違いを確認しておきましょう。
「クッキー」と「サブレ」の違い
「サブレ」はバターの香りが強く、ホロホロとした独特の食感が魅力です。
フランス貴族のレシピが起源とされます。
項目 | クッキー | サブレ |
起源 | オランダ~アメリカ | フランス |
バター・油脂 | 通常量 | 多め(バター主体) |
ベーキングパウダー | 使用することが多い | ほとんど使わない |
食感 | サクサク・ほろっと | よりサクサク・軽やか |
「ビスケット」と「クラッカー」の違い
「クラッカー」は軽食や料理の添え物としても重宝される、甘くないビスケットといった位置づけです。
項目 | ビスケット | クラッカー |
発酵 | 無発酵または膨張剤使用 | イーストなどで発酵させる |
味 | 甘みがある | 塩気があるものが多い |
食感 | パリッとした硬め | 軽くてサクサク |
使用場面 | おやつ | おつまみ、前菜などにも使われる |
「クッキー」と「ビスケット」の関係性
最も大事なポイントは、「クッキーはビスケットの一種」であるということです。
日本の業界定義において、「ビスケット類」の中の条件を満たしたものが
「クッキー」として認められます。
消費者の「クッキーはちょっと高級な印象」という声を受けて、
1971年に全国ビスケット協会が定義を明確化しました。
まとめー「クッキー」と「ビスケット」の違い/「総称か一種」かの違いで区別
「クッキー」と「ビスケット」は、日常的には似たような焼き菓子として親しまれていますが、
成分や見た目、食感、定義には明確な違いがあります。
また、国によって呼び名や意味も異なり、それぞれの文化的背景が反映されています。
違いを知ることで、日々のティータイムやおやつ選びがもっと楽しくなることでしょう。

