
「会話・談話・対話」の違いと使い分けは、
「目的」「場面」「フォーマル度」で区別します。


目次
「会話」「談話」「対話」の基本的な違い
私たちが日常的に使うこれら3つの言葉は、すべて「話すこと」を意味しますが、
「話す目的や雰囲気、使われる場面」に応じて、適切に使い分ける必要があります。
用語 | 意味 | 特徴・ニュアンス | 使用場面例 |
会話 | 日常的で気軽なやり取り | カジュアル、短時間、軽い内容 | 友人との雑談、英会話など |
談話 | テーマに沿った非公式な話し合い | 落ち着いた雰囲気、少し丁寧な印象 | 首相の談話、談話室、講義後の雑談など |
対話 | 意見交換を通じて相互理解を深める会話 | 双方向的、深く真剣、建設的 | 親子関係、異文化交流、ビジネス現場など |
「フォーマル度」による並び順と使い分け
3つの言葉は、「カジュアルさから改まった雰囲気への段階」で並べることができます。
用語 | フォーマル度 | 特徴 |
会話 | 最もカジュアル。 軽い雑談、気軽なやりとり | |
談話 | やや改まった雰囲気。 落ち着いた意見交換 | |
対話 | 最もフォーマル。 真剣・誠実な話し合い、価値観の共有 |
「会話」と「談話」の違い
「会話」は日常的でカジュアルなやり取り
「会話」は、もっとも身近で気軽な言葉のやりとりを意味します。
内容が軽く、形式にこだわらず、楽しく交わされるのが特徴です。
- 「友達とカフェで会話を楽しんだ」
- 「英会話のレッスンを受けている」
「談話」は少し改まった雰囲気の会話
「談話」は特定のテーマに基づいて交わされる、少し丁寧で落ち着いた話し合いです。
「首相の談話」など公的な場面にも使われ、
「談話室」ではくつろぎつつも、テーマ性のある話が行われます。
- 「夕食後の談話で社会情勢について語り合った」
- 「大学の先生と談話する機会があった」
「会話」と「対話」の違い
「会話」は表面的なやり取りにとどまることも
「会話」は相手との交流を楽しむことが主な目的であり、内容が深くなくても成立します。
したがって、感情的な重みや議論性は薄く、あくまで「気軽なやりとり」です。
「対話」は真剣で深い意見交換が前提
「対話」は、相手と向き合いながら、お互いの考えや立場を理解しようとする姿勢が前提にあります。
感情や価値観を共有・調整することが主な目的です。
- 「親子の対話を大切にする」
- 「異文化理解のために対話を重ねた」
- 「リーダーは部下と対話を通じて信頼を築くべきだ」
「談話」と「対話」の違い
「談話」は共通の話題を共有する場
「談話」は同じ関心やテーマを持った人同士が、比較的リラックスした形で意見を述べ合うものです。
- 「談話会で文学作品について語り合った」
- 「談話室で他の学生と雑談する」
「対話」は異なる意見をすり合わせる場
「対話」は立場や意見が異なる相手と向き合い、理解を築こうとする「調整型の会話」です。
- 「異なる宗教の信者同士が対話を通して歩み寄った」
- 「対話の場で誤解が解けた」
類義語との違い―「対話」と「議論」「討論」の比較
「対話」は「議論」「討論」と似て見えますが、目的が異なります。
用語 | 主な目的 | 特徴 |
対話 | 相互理解 | 意見交換・受容的・建設的 |
議論 | 正誤の明確化 | 論理的・結論重視 |
討論 | 勝敗・優劣の決定 | 攻防的・競争的・相手を説得する意図が強い |
シーン別-適切な言葉
以下にシーン別の例と理由を示します。
シーン | 適切な言葉 | 理由 |
友人とカフェで話す | 会話 | カジュアルな場面にふさわしい |
政治家のコメント | 談話 | 公的な発言として丁寧な印象を与える |
複数人での雑談 | 談話 | テーマを共有する、落ち着いた意見交換 |
部下との意思疎通 | 対話 | 相互の理解と信頼関係の構築が目的 |
異文化交流 | 対話 | 価値観の違いを乗り越える深い話し合いが必要 |
まとめ ― 「会話・談話・対話」の違いと使い分けは/「目的」「場面」「フォーマル度」で区別
「会話」「談話」「対話」はすべて「話す」行為を表す言葉ですが、
「目的・場面・フォーマル度」の観点から、それぞれに明確な違いがあります。
用語 | フォーマル度 | 特徴 |
会話 | 最もカジュアル。 軽い雑談、気軽なやりとり | |
談話 | やや改まった雰囲気。 落ち着いた意見交換 | |
対話 | 最もフォーマル。 真剣・誠実な話し合い、価値観の共有 |
それぞれの意味を理解し、状況に応じた言葉選びをすることで、
表現もコミュニケーションも一段と的確になります。

