
「分かれる」と「別れる」の違いと使い分けは
「物の分離」か「人との関係の終了」かの違いで区別します。


人と話していて「わかれる」と聞くと、どちらの漢字を思い浮かべるでしょうか。
「分かれる」と「別れる」は「わかれる」と同じ読み方ですが、意味や使い方には明確な違いがあります。
本記事では、両者の意味や用法の違いを比較し、分かりやすく解説します。
目次
「分かれる」と「別れる」の意味の違い
まずは「分かれる」と「別れる」の違いを一覧表で見てみましょう。
語句 | 主な意味 | 使用対象 | 感情の有無 | 例文 |
---|---|---|---|---|
分かれる | 一つのものが二つ以上に分離・区分される | 物・事・集団 | 感情を伴わない | 道が分かれる。 意見が分かれる |
別れる | 人が離れ離れになる/関係を解消する | 人間関係 | 感情が伴うことが多い | 恋人と別れる。 母と別れる。 死に別れる |
「分かれる」の意味と使い方
「分かれる」は、元々ひとつだった物や状態が、
いくつかに区切られたり、分離したりする状況を表す言葉です。
物理的な対象から抽象的な概念(意見、好み)まで幅広く使えます。
- 道が「分かれる」:一本道が分岐する様子。
- 意見が「分かれる」:人々の意見が異なる方向に分かれる。
- グループに「分かれる」:複数人を均等に分配。
- 類義語:「離れる」「断たれる」「食い違う」「分離」「分解」「分類」
- 対義語:「繋がる」「結合」「合一」
- この先で道が「分かれて」いるので注意してください。
- 話し合っても意見が「分かれた」ままでした。
- 生徒たちは3グループに「分かれて」活動した。
「別れる」の意味と使い方
「別れる」は、人との関係において「一緒にいた相手と離れる」ことを意味します。
恋人や家族、友人との別離、死別、離婚などの場面で使われる感情的な言葉です。
- 恋人と「別れる」:交際関係の解消。
- 家族と「別れる」:死別や離別。
- 駅で友人と「別れる」:一時的な別れも含まれる。
- 類義語:「別離」「決別」「送別」「区別」
- 対義語:「会う」「再会」
- 長年付き合っていた恋人と「別れた」。
- 幼い頃に母と「別れた」まま再会できていない。
- 駅で友達と「別れて」、それぞれの方向に帰った。
「分かれる」と「別れる」の使い分けのポイント
「感情の有無」で見分ける
- 「分かれる」:感情が込められていない言葉。
- 「別れる」:悲しみや寂しさなど、感情が込められている。
「対象」で見分ける
- 「分かれる」:意見、物、集団などの抽象・物理的な対象。
- 「別れる」:人間関係、感情的なつながりをもつ対象。
「一時的」か「永続的」か
- 「分かれる」:一時的・機能的に物理的に別れることが多い。
- 「別れる」:心理的・社会的に継続的な別離を表すことが多い。
「分かれる」「別れる」とその漢字の違い
「分」は、分離・区分の意味を持ち、「一つのものを分ける」ことに重点があります。
一方「別」は、そこに「違い」や「異なる存在になる」ことが含まれており、
心理的・社会的意味が強くなります。
「分岐点」「分類」「分解」などは「分」
「別居」「告別式」「別離」などは「別」
類義語との違い
語句 | 意味 | 違いのポイント |
---|---|---|
離れる | 単に空間的に距離ができる | 感情の含有が薄く、物理的側面が強い |
決別 | 強い意志をもって関係を断ち切る | 意志の強さと決意を含む点が異なる |
区別 | 性質や種類の違いを見分ける | 関係の解消ではなく、分類的な要素が強い |
まとめ―「分かれる」と「別れる」違いと使い分け/「物の分離」か「人との関係の終了」かの違いで区別
「分かれる」と「別れる」は、同じ「わかれる」という音を持ちながらも、
その意味と使い方は明確に異なります。
「分かれる」は物事が物理的・機能的に区切られる場面で使われ、
「別れる」は人間関係の解消や心のつながりの断絶を表す感情的な言葉です。
それぞれの文脈をしっかりと見極めて、適切に使い分けるようにしましょう。
語句 | 主な意味 | 使用対象 | 感情の有無 | 例文 |
---|---|---|---|---|
分かれる | 一つのものが二つ以上に分離・区分される | 物・事・集団 | 感情を伴わない | 道が分かれる。 意見が分かれる |
別れる | 人が離れ離れになる/関係を解消する | 人間関係 | 感情が伴うことが多い | 恋人と別れる。 母と別れる。 死に別れる |

