
「年末調整と確定申告」の違いは、
「手続きを行う人」の違いで区別します。


会社員や自営業者にとって欠かせない税金の手続きが「年末調整」と「確定申告」です。
どちらも所得税を適正に納めるための手続きですが、
手続きを行う人や内容に明確な違いがあります。
この記事では、「年末調整」と「確定申告」の違いをわかりやすく比較し、
それぞれの特徴や必要性について解説します。
「年末調整」と「確定申告」とは?
特徴の違い
「年末調整」と「確定申告」は、いずれも所得税を正しく納めるための手続きですが、
手続きを行う人と方法が異なります。
下記にそれぞれの違いを表に示しました。
項目 | 年末調整 | 確定申告 |
手続きをする人 | 会社(給与支払者)が行う | 個人(納税者本人)が行う |
対象者 | 主に会社員・パート・アルバイト | 自営業者、副業所得が多い会社員など |
手続き時期 | 年末(12月頃) | 翌年2月中旬~3月中旬 |
目的 | 所得税の過不足を調整 | 所得税の正確な確定 |
必要なケース | 原則全員(給与所得のみの場合) | 特定条件下(副業20万超、年収2000万超など) |
「年末調整」とは?
「年末調整」は、給与所得者(サラリーマン、パート、アルバイトなど)に対して、
勤務先が所得税の過不足を調整するために行う手続きです。
「年末調整」の目的
年初から毎月仮に徴収されていた所得税額を、年末に正しい税額に調整し、過不足を是正します。
結果として、払いすぎた税金があれば還付され、不足していれば追徴されます。
「年末調整」で使われる主な控除
控除の種類 | 内容 | 例 |
所得控除 | 所得から差し引かれる | 配偶者控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除など |
税額控除 | 税額から直接差し引かれる | 住宅ローン控除など |
「確定申告」とは?
「確定申告」は、個人が自身の所得金額を税務署に申告し、納税額を確定する手続きです。
H3:「確定申告」が必要なケース
以下の場合には「確定申告」が必要です。
- 副業収入が年間20万円を超える
- 年収が2,000万円を超える
- 2ヵ所以上から給与を受け取っている
- 医療費が10万円を超えた場合(医療費控除)
- 住宅ローンを組んだ最初の年
- ふるさと納税を6自治体以上に寄付した場合
このような場合は、年末調整だけでは正しく所得税額を調整できないため、
自ら確定申告を行う必要があります。
「収入と所得」の違いとは?
「年末調整」や「確定申告」では、「収入」と「所得」の違いを理解しておくことが大切です。
項目 | 内容 | 例 |
収入 | 税込年収など、得た金額の総額 | 給与収入500万円 |
所得 | 収入から必要経費(給与所得控除など)を引いた金額 | 給与所得400万円 |


「年末調整と確定申告」-「納税」との違い
「年末調整」や「確定申告」とよく混同される言葉に「納税」があります。
「納税」は、所得税の支払い行為そのものであり、
手続き方法である「年末調整」や「確定申告」とは意味が異なります。
項目 | 内容 |
年末調整・確定申告 | 所得税額を確定するための手続き |
納税 | 確定した税額を実際に支払う行為 |
つまり、「年末調整」や「確定申告」を経て税額が確定し、
その後「納税」を行う、という流れになります。
まとめー「年末調整と確定申告の違い」/「手続きを行う人」の違いで区別
「年末調整」と「確定申告」は、どちらも所得税を正しく納めるために必要な手続きですが、
「誰が手続きするか」、「いつ行うか」が大きな違いです。
勤務先が代行する「年末調整」は会社員の基本的な手続き、
一方、自分で行う「確定申告」は条件に該当する場合や、控除を追加したい場合に必要となります。
自身の状況に合わせて正しく選び、賢く税金対策を行いましょう。



